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痛風・高尿酸血症とは?原因・症状・治療をリウマチ内科専攻医が解説

「急に足の親指が赤く腫れて、歩けないほど痛い」——そんな経験をされた方は、痛風発作かもしれません。また、健診で「尿酸値が高め」と指摘されたことはないでしょうか。このページでは、リウマチ膠原病内科専攻医の立場から、痛風・高尿酸血症の原因・症状・治療について詳しく解説します。

患者さん
先週の夜中に突然、足の親指が激痛で目が覚めました。赤く腫れていて、触れるだけで飛び上がるほど痛かったです。これって痛風ですか?
子育て内科医
それは典型的な痛風発作の症状ですね。突然始まる激しい痛みと赤み・腫れ、特に足の親指の付け根に起こりやすいのが特徴です。血液検査で尿酸値を確認しましょう。
目次

痛風・高尿酸血症とは?

高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態です(日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン)。日本人全体の有病率は約10%、男性では約20〜25%と決して珍しくありません。高尿酸血症は必ずしも症状を伴わず、無症状のまま経過することも多いですが、放置すると痛風発作・尿路結石・慢性腎臓病などのリスクが高まります。

痛風は、血液中の尿酸が関節に尿酸一ナトリウム結晶として沈着し、激しい炎症を引き起こす病気です。痛風の有病率は日本人全体で約1%(男性では1〜2%程度)で、痛風発症の男女比は約9:1と男性に圧倒的に多いです。30〜60代に多く見られます。

痛風発作の症状

発症部位

約70%は足の親指の付け根(第1MTP関節)に発症します。そのほか、足首・膝・手首などにも起こることがあります。初回発作では単関節炎が典型的です。

痛みの特徴

深夜から早朝にかけて突然始まる、激烈な疼痛・発赤・腫脹・熱感が特徴です。痛みは発症後24時間以内にピークに達し、治療しなくても1〜2週間で自然に軽快します。ただし、繰り返すことで発作の頻度が増し、複数関節に及ぶようになります。

原因・リスク因子

食事・生活習慣

プリン体を多く含む食品(レバーなどの内臓・魚卵・干物など)の過剰摂取は尿酸産生を増やします。また、アルコール(特にビール)はプリン体を多く含むうえに尿酸の排泄も抑制するため、リスクを大きく高めます。肥満も尿酸値上昇と強く関連します。

身体的・薬剤的要因

腎機能低下は尿酸排泄を低下させます。また、利尿薬(サイアザイド系など)は尿酸の再吸収を促進するため、服用中の方は尿酸値が上がりやすい傾向があります。高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病を合併していることも多く、メタボリックシンドロームとの関連が深い疾患です。

診断

血液検査で血清尿酸値を測定します。ただし、痛風発作中は炎症の影響で尿酸値が一時的に低下することがあるため、発作が落ち着いた後に再検することが重要です。腫れた関節から関節液を採取し、偏光顕微鏡で尿酸一ナトリウム結晶を確認するのが確定診断となります。超音波検査では関節内の結晶沈着(ダブルコンター像)も確認できます。

治療

急性発作の治療

コルヒチン(コルヒチン錠 0.5mg):痛風治療の要となる薬です。最も重要なポイントは「発作の予感(前駆症状)を感じた段階でできるだけ早期に0.5mg(1錠)服用する」こと。発作が始まりかけた段階(ズキズキした違和感・わずかな腫れ感など)での早期服用が最も効果的です。発作が本格化してからでは効果が限定的になります。なお、繰り返し服用は消化器毒性(下痢・腹痛)のリスクがあるため、担当医の指示に従ってください。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):インドメタシン、ナプロキセンなどが用いられます。胃腸障害・腎機能への影響に注意が必要です。

ステロイド:NSAIDsが使えない場合(腎機能低下、消化性潰瘍など)に使用することがあります。

なお、発作中に尿酸降下薬を新たに開始したり用量変更したりすることは発作を遷延・増悪させる可能性があるため、発作が完全に治まってから尿酸降下療法を開始・調整します。

患者さん
発作が起きたとき、コルヒチンはどのタイミングで飲めばいいですか?
子育て内科医
コルヒチンは「発作の予感」を感じた段階で0.5mg(1錠)をすぐに服用するのが最大のポイントです。「なんとなく足がズキズキする」「いつもの前兆がある」と感じたらすぐに飲む。痛みが本格的になってからでは効果が落ちてしまいます。発作が来やすい方はあらかじめ処方してもらっておくと安心です。

発作間欠期の治療(尿酸降下療法)

発作が落ち着いたら、尿酸値を下げる薬物療法を開始します。目標尿酸値は6.0mg/dL以下(痛風結節がある場合は5.0mg/dL以下)です。

アロプリノール(ザイロリック他):尿酸産生を抑制するキサンチンオキシダーゼ阻害薬。腎機能に応じた用量調整が必要です。

フェブキソスタット(フェブリク):アロプリノールと同じ作用機序で、軽〜中等度の腎機能低下例でも用量調整なく使用できる利点があります。ただし、心血管疾患の既往がある方ではリスクと便益を慎重に検討する必要があります。担当医と相談のうえ使用してください。

ベンズブロマロン(ユリノーム):尿酸の腎排泄を促進する尿酸排泄促進薬。尿酸の排泄低下型に特に有効です。ただし、重篤な肝毒性(劇症肝炎を含む)のリスクがあるため、定期的な肝機能検査が必須です。また、尿酸結石・尿路結石のある方には原則禁忌です。大量の水分摂取と尿のアルカリ化(ウラリット等)を組み合わせることが重要です。

無症状の高尿酸血症にも治療が必要?

症状がなくても、以下の場合には薬物療法を検討します(日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン)。

  • 尿酸値 9.0mg/dL以上(合併症なし)
  • 尿酸値 8.0mg/dL以上(高血圧・糖尿病・慢性腎臓病・尿路結石などの合併症あり)

それ以外の場合はまず生活習慣の改善から始め、定期的に尿酸値をフォローします。

患者さん
尿酸値が高いだけで症状がないのですが、薬を飲まないといけませんか?
子育て内科医
無症状でも尿酸値が9.0mg/dL以上の場合や、高血圧や腎臓病などを合併していて8.0mg/dL以上の場合は薬物療法を検討します。そうでなければまずは生活習慣の改善から。定期的に尿酸値をチェックしながら一緒に管理していきましょう。

生活習慣の改善

薬物療法と並行して、生活習慣の見直しも重要です。プリン体の多い食品(内臓類・干物・魚卵)を控え、アルコール(特にビール)はできる限り制限します。1日2,000mL以上の水分摂取を心がけ、尿中への尿酸排泄促進と尿路結石予防にもなります。適切な体重管理も重要ですが、激しい運動や急激な減量は発作を誘発することがあるため無理のない範囲で行ってください。

放置すると起こる合併症

高尿酸血症・痛風を長期間放置すると、尿酸塩結晶が皮下組織に蓄積した痛風結節、腎臓への尿酸塩沈着による慢性腎臓病(痛風腎)尿路結石などが生じることがあります。また、高尿酸血症は高血圧・動脈硬化・心血管疾患との関連も指摘されており、全身の生活習慣病管理という観点からも重要です。

まとめ

痛風・高尿酸血症は適切な治療と生活習慣の改善によってしっかりコントロールできる病気です。発作時の対処はもちろん、発作のない時期こそ尿酸値を6.0mg/dL以下に維持し続けることが、再発予防と合併症予防の鍵となります。「健診で尿酸値が高かった」「痛風発作を繰り返している」という方は、ぜひリウマチ内科や内科専門医にご相談ください。

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