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赤ちゃんの歯はいつから生える?歯固め・歯磨きの始め方を内科医ママが解説

「そろそろ歯が生えてきそうだけど、歯磨きっていつから始めればいいの?」「歯固めは必要?」——赤ちゃんの歯は、生後6ヶ月前後から生え始める子が多く、多くのママ・パパが戸惑うポイントです。この記事では、赤ちゃんの歯が生える時期の目安、歯固めの使い方、歯磨きの始め方とフッ素の使い方まで、内科医ママの視点でわかりやすく解説します。

患者さん
先生、下の歯が1本生えてきたみたいなんですが、歯磨きってもう始めた方がいいんでしょうか?

子育て内科医
はい、歯が1本でも生えてきたら、歯磨き(ケア)を始めるタイミングですよ。最初は難しく考えなくて大丈夫です。今日は生える時期の目安から、無理なく始める方法まで一緒に見ていきましょう。

目次

赤ちゃんの歯はいつから生える?月齢ごとの目安

乳歯が生える時期には赤ちゃんによって大きな個人差があり、1年程度の幅があるのが普通です。「うちの子は遅いかも」と心配しすぎなくても大丈夫ですが、おおよその目安を知っておくと見通しが立てやすくなります。

生後6〜9ヶ月頃:下の前歯から生え始める

多くの赤ちゃんは、生後6〜9ヶ月頃に下の前歯(下顎中切歯)2本から生え始めます。その後、上の前歯2本が続いて生えてくることが多いです。歯が生え始める直前〜生え始めの時期は、歯ぐきがむずがゆくなり、よだれが増えたり、何でも口に入れて噛みたがったりする様子が見られることがあります。歯の不快感がピークになりやすいのは、下の前歯2本が生えてくる生後8〜9ヶ月頃と言われています。

生後10〜12ヶ月頃:上下の前歯が揃ってくる

1歳前後になると、上下合わせて4本程度の前歯が生えている子が多くなります。この頃から、前歯で小さく噛みきる動作ができるようになっていきます。奥歯(第一乳臼歯)が生え始めるのは、多くの場合1歳〜1歳半以降です。

生える時期が多少早くても遅くても心配しすぎなくてよい理由

歯の生える時期には個人差が大きく、生後4ヶ月頃から生え始める子もいれば、1歳を過ぎてから生え始める子もいます。多少の前後は正常範囲内であることがほとんどです。ただし、1歳半を過ぎても歯が1本も生えてこない場合や、歯の形・本数について気になることがある場合は、乳幼児健診の際や小児歯科・小児科で相談すると安心です。

出生時にすでに歯が生えている「先天歯」もある

非常にまれですが、生まれた時点ですでに歯が生えている「先天歯(natal teeth)」や、生後1ヶ月以内に生えてくる「新生歯(neonatal teeth)」というケースもあります。この場合、歯の根がまだ十分にできていないため歯が揺れやすく、授乳の際に赤ちゃんの舌を傷つけたり、保護者の乳首が傷ついたりすることがあります。このようなケースに気づいた場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに小児科や小児歯科で相談してください。

歯固めはいつから使う?選び方と注意点

歯固めの使い始めは生後6ヶ月頃が目安

歯固めは、歯ぐきがむずがゆい赤ちゃんが噛むことで不快感を和らげるためのグッズで、乳歯が生え始める生後6ヶ月頃から使い始めるのが一般的です。噛む刺激によって歯ぐきの血流が促され、むずがゆさがやわらぐと言われています。

歯固めを選ぶときのポイント

赤ちゃんは何でも口に入れて確認するため、歯固めは安全性が最優先です。誤って丸ごと口に入らない大きさであること、パーツが外れて誤飲につながらない構造であること、赤ちゃんが口に入れても安全な素材(食品衛生基準をクリアしたシリコンやゴムなど)であることを確認しましょう。冷蔵庫で軽く冷やしてから使うと、ひんやりした感触が歯ぐきの不快感をやわらげてくれることもありますが、冷凍庫で硬く凍らせたものは歯ぐきを傷つける可能性があるため避けてください。

歯固め使用時に見ておきたいこと

歯固めを使っている間は、ひも・ストラップが赤ちゃんの首に巻きつかないように注意し、使用中は目を離さないようにしましょう。また、ひびや破損がないか定期的に確認し、傷んできたら早めに交換してください。

歯磨き、いつから・どうやって始める?

下の前歯が生え始めたら歯磨きスタートの合図

下の前歯が1本でも生えてきたら、歯磨き(口腔ケア)を始めるタイミングです。最初から歯ブラシを使う必要はなく、ガーゼや口腔ケア用のシートで歯の表面を優しく拭くことから始めても構いません。赤ちゃんが口の中に何かが入ることに慣れてきたら、少しずつ乳歯用の歯ブラシへ切り替えていきましょう。

無理なく習慣にするコツ

赤ちゃんの歯磨きで一番大切なのは、「痛い・嫌なもの」という印象を持たせないことです。以下のような工夫で、少しずつ慣れさせていくとよいでしょう。

  • 最初は数秒だけ、前歯の表面を優しくなでる程度から始める
  • 仰向けやひざの上に寝かせて、お口の中が見やすい姿勢で行う
  • 歯磨きの前後に声をかけたり、同じ歌を歌ったりして毎日同じリズムで行う
  • 嫌がって泣いてしまう日は無理に続けず、短時間で切り上げてもよい

患者さん
嫌がって暴れるときは、どうしても短時間で終わらせちゃうんですが、大丈夫でしょうか?

子育て内科医
大丈夫です。最初から完璧を目指さなくて大丈夫ですよ。数秒でも毎日続けることの方が、1回で完璧に磨くことよりも大切です。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていきましょう。

仕上げ磨きはいつまで必要?

赤ちゃん自身で上手に歯を磨けるようになるまでには時間がかかるため、保護者による仕上げ磨きは少なくとも小学校低学年頃までは続けることが推奨されています。0〜1歳の時期は、自分で歯ブラシを持たせて「磨く練習」をさせつつ、仕上げは必ず保護者が行う、という形が基本になります。

フッ素入り歯磨き粉はいつから使える?

0〜2歳の推奨量・濃度

日本小児歯科学会など複数の学会による提言では、歯が生え始めた0歳から、フッ化物配合歯磨剤を使い始めてよいとされています。0〜2歳の時期の目安は、フッ素濃度900〜1000ppmF、使用量は米粒程度(1〜2mm程度)、使用回数は就寝前を含めて1日2回です。この時期はうがいがまだ上手にできないことが多いため、歯磨きのあとはティッシュなどで軽く拭き取る程度で問題ありません。

誤飲が心配なときの考え方

「赤ちゃんが歯磨き粉を飲み込んでしまったら大丈夫?」と心配になる方も多いですが、推奨されている使用量・濃度を守って使う範囲であれば、少量を誤って飲み込んでしまっても心配しすぎる必要はないとされています。使用量を守ること、使用後は手の届かない場所に保管することを心がければ、安全に取り入れられます。心配な場合は、歯科医院や小児科で使用量・方法について相談してみましょう。

「歯が生える時期の不調」と「病気」の見分け方

歯が生える前後には、よだれの増加、歯ぐきのむずがゆさによる不機嫌、何でも噛みたがる、といった様子が見られますが、「高熱」や「下痢」が歯のせいだと決めつけるのは注意が必要です。

歯が生える時期によくある様子

  • よだれが増える
  • 歯ぐきを気にして何でも噛みたがる
  • 一時的にぐずりやすくなる、寝つきが悪くなる
  • ごく軽度の体温上昇(37度台前半程度)がみられることがある

歯のせいにせず受診を考えたい症状

  • 38度以上のはっきりとした発熱
  • 下痢や嘔吐を伴う
  • いつもと違う強い不機嫌さや元気のなさが続く
  • 発疹を伴う

以前は「歯が生えるときは熱が出るもの」と広く信じられていましたが、現在では、歯が生えること自体がはっきりとした発熱や下痢の直接の原因になるという医学的根拠は乏しいと考えられています。歯の生え始めの時期は生後6ヶ月〜1歳と、ちょうど母親からもらった免疫が減り、赤ちゃん自身が様々な感染症にかかりやすくなる時期とも重なるため、「歯のせい」と思っていた症状が、実は別の感染症であることも少なくありません。はっきりとした発熱や、ぐったりした様子がある場合は、歯のせいと決めつけずに小児科を受診しましょう。

赤ちゃん用歯ブラシの選び方

0〜1歳向けのサイズ・素材

赤ちゃん用の歯ブラシは、ヘッド(ブラシ部分)が小さく、毛が柔らかいものを選びましょう。歯が生え始めたばかりの時期は、歯の本数が少ないため、小さめのヘッドの方が奥まで無理なく届きます。持ち手は、保護者が仕上げ磨きをしやすい長さのものと、赤ちゃんが自分で持って「噛む・なめる」練習をするための短いものを、成長に応じて使い分けるとよいでしょう。

赤ちゃんに持たせるときの安全対策

赤ちゃんに歯ブラシを持たせて自分で口に入れさせる練習をする際は、歩き回ったり転んだりした際に喉を突いてしまう事故を避けるため、必ず座った状態で使わせ、持たせている間は目を離さないようにしましょう。歯ブラシの持ち手部分にストッパー(喉の奥まで入りすぎないようにするガード)がついている製品を選ぶと、より安心して練習させることができます。

指しゃぶり・おしゃぶりは歯並びに影響する?

0歳の時期は心配しすぎなくてよい

指しゃぶりやおしゃぶりは、赤ちゃんが安心感を得たり、眠りにつく助けになったりする自然な行動です。0歳の時期にこれらを行うこと自体が、将来の歯並びに大きな影響を与えるという心配は、基本的にはしすぎなくてよいとされています。

やめる時期の目安

一般的には、1歳半〜2歳頃を過ぎても指しゃぶり・おしゃぶりの頻度や強さが高い状態が続く場合に、上の前歯が前に出てしまう「出っ歯」や、上下の歯の間に隙間ができる「開咬」など、歯並び・噛み合わせへの影響が心配されるようになります。0歳のうちは無理にやめさせようとせず、1歳半頃を過ぎたあたりから、少しずつ別の安心材料(スキンシップやぬいぐるみなど)に置き換えていく形で、ゆっくり減らしていくのがよいでしょう。

よくある質問

患者さん
歯ぐきが腫れているように見えるんですが、これも歯が生えるサインですか?

子育て内科医
歯が生える直前には、歯ぐきが少し膨らんだり、白っぽく見えたりすることがあります。多くは心配のいらない変化ですが、強い赤み・出血・膨らみが続く場合や、機嫌がかなり悪い場合は、念のため小児科や小児歯科で診てもらうと安心です。

患者さん
上の歯が先に生えてきました。順番が違うのは問題ないですか?

子育て内科医
生える順番にも個人差があり、上の歯から生えてくる赤ちゃんも珍しくありません。順番の多少の違いだけで心配する必要はありませんが、歯の本数や形について気になることがあれば、乳幼児健診の際に相談してみてください。

虫歯予防のために今から意識したいこと

乳歯は虫歯になりやすいことを知っておく

乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄いため、虫歯菌に感染すると進行が早いという特徴があります。歯が生え始めたばかりの時期から、少しずつケアの習慣をつけておくことが、将来の虫歯予防につながります。

ジュースやお菓子の与え方に気をつける

甘い飲み物やお菓子を頻繁に与えると、口の中が糖分にさらされる時間が長くなり、虫歯のリスクが上がります。そもそも1歳未満の赤ちゃんには、果汁などの甘い飲み物を積極的に与える栄養学的な必要はないとされています。欲しがる場合に少量与えること自体は問題ありませんが、哺乳びんやマグでだらだらと時間をかけて飲ませたり、就寝前に与えたりすることは避け、量や頻度を決めておくことが虫歯予防につながります。

食器の共有は気にしすぎなくてよい

虫歯の原因菌は、もともと赤ちゃんの口の中にはいません。口移しや食器の共有によって、保護者の口の中の細菌が赤ちゃんに伝わることはありますが、実際には生後4ヶ月頃という、食器を共有し始めるよりも早い時期から、日々のスキンシップを通じて自然に伝わっていることがわかっています。日本口腔衛生学会も、食器を分けることで虫歯を防げるという科学的根拠は強くないとしており、食器の共有を過度に気にする必要はありません。虫歯予防として実際に効果があるのは、甘いものの与え方に気をつけること、毎日の仕上げ磨き、フッ化物の活用です。

歯の本数と離乳食の進み方の関係

歯が生える時期は、ちょうど離乳食が進んでいく時期と重なります。「歯が生えていないと離乳食を進められないのでは」と心配する方もいますが、実は赤ちゃんは歯が生える前から、歯ぐきと舌だけでも食べ物をつぶして食べる力を持っています。

歯がなくても食べる練習は進められる

離乳食の進み方は、歯の本数よりも、赤ちゃんの「食べる機能」の発達(舌や顎の動き、噛む練習の様子)に合わせて考えるのが基本です。前歯が生えていなくても、歯ぐきでつぶせるくらいの固さの食材であれば、問題なく食べる練習を進めることができます。

奥歯が生えてくる頃から噛む練習が本格化

1歳前後で前歯が生え揃い、1歳半頃から奥歯(乳臼歯)が生えてくると、しっかり噛みつぶす動作ができるようになっていきます。この頃から、少しずつ食材の大きさや固さを上げていき、歯と顎を使ってよく噛む練習を進めていきましょう。噛む力の発達には個人差があるため、進み方が多少前後しても心配しすぎなくて大丈夫です。

まとめ

歯の生える時期やケアの進め方は、育児書やインターネットの情報によって書かれ方が少しずつ違うこともあり、かえって不安になってしまう保護者の方も少なくありません。大切なのは、「目安」と「その子のペース」の両方を知っておくことです。歯が生える時期、本数、生える順番には、健康な赤ちゃんであっても大きな個人差があります。目の前の赤ちゃんの様子をよく見ながら、無理のない範囲でケアを続けていきましょう。

赤ちゃんの歯は、多くの場合生後6〜9ヶ月頃に下の前歯から生え始め、1歳頃までに上下4本程度が生えてくるのが一般的な目安です。ただし個人差が大きいため、多少前後しても心配しすぎる必要はありません。歯が生え始める時期には、歯固めで不快感をやわらげ、歯が1本でも生えたら歯磨き(口腔ケア)を少しずつ始めましょう。フッ素入りの歯磨き粉は、0歳から推奨量・濃度を守って使うことができます。発熱や下痢を「歯のせい」と決めつけず、いつもと違う強い症状がある場合は小児科を受診してください。歯の生える時期やケアの進め方に不安がある場合は、乳幼児健診の機会や、かかりつけの小児科・小児歯科に相談しながら、無理なく進めていきましょう。

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