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0歳赤ちゃんの便秘サイン・受診の目安|うんちの色・回数・綿棒浣腸のやり方を内科医ママが解説

「3日うんちが出ていない……便秘かな?」「毎日うんちが出るのにいきむときすごく苦しそう」——0歳の赤ちゃんを育てていると、うんちのことで心配になる場面は少なくありません。

赤ちゃんの便秘は、「何日出ていないか」だけで判断するのは実は難しく、赤ちゃんの様子をトータルで見ることが大切です。

この記事では、リウマチ・膠原病内科専攻医として、そして0歳の赤ちゃんを育てるワーキングマザーとして、赤ちゃんの便秘について詳しく解説します。うんちの色や回数の目安、自宅でできるケア(のの字マッサージ・綿棒浣腸)から、病院を受診すべきタイミングまでをわかりやすくお伝えします。

患者さん
生後2か月の赤ちゃんが4日うんちが出ていません。病院に行った方がいいですか?
子育て内科医
機嫌がよくて母乳もよく飲んでいるなら、少し様子を見てもいい場合もあります。ただし苦しそうにしているなら受診が必要ですよ!
目次

まず知っておきたい!0歳赤ちゃんの「普通の」うんち

赤ちゃんの便秘を判断するうえで、まず「正常なうんちとはどんなものか」を知っておくことが大切です。

月齢別の排便回数の目安

赤ちゃんのうんちの回数は、月齢によって大きく変わります。また、個人差がとても大きいことも覚えておいてください。

月齢 排便回数の目安 特徴
新生児期(0〜1か月) 1日4〜10回(母乳)、1〜4回(ミルク) 胎便→移行便→乳児便へ変化
生後1〜3か月 1日2〜5回(母乳)、1〜3回(ミルク) 母乳栄養では回数が多い傾向
生後3〜6か月 1日1〜3回、または2〜3日に1回 授乳回数の安定とともに回数が減ることも
生後6か月〜(離乳食開始後) 1日1〜2回が多い 離乳食開始で硬さ・回数が変わりやすい

重要なのは「何日出ていないか」よりも「赤ちゃんが苦しそうにしているか」です。機嫌がよく、母乳・ミルクをしっかり飲んでいれば、4〜5日出なくても便秘ではない赤ちゃんもいます(特に母乳栄養の赤ちゃん)。

うんちの色で健康状態をチェック

うんちの色は、赤ちゃんの健康状態の大切なサインです。

状態 対応
黄色〜黄緑・黄土色 正常 経過観察でOK
緑色 ほぼ正常(胆汁の酸化) 機嫌がよければ問題なし
白・クリーム色 要注意!胆道の異常の可能性 すぐに受診
黒色(タール便) 要注意!上部消化管出血の可能性 すぐに受診(胎便は生後数日のみ正常)
鮮血が混じる 要注意!肛門裂傷または消化管出血 すぐに受診

特に白っぽいうんちは、胆汁が腸に流れていない可能性(胆道閉鎖症など)があり、新生児期から乳児期に見られた場合は緊急性が高いことがあります。「母子健康手帳」にも便色カード(うんちの色見本)が載っているので活用してください。

赤ちゃんの便秘とは?定義と見極め方

便秘の定義:「出る回数」ではなく「出るときの様子」

医学的には、小児の便秘を「週3回未満の排便、または排便困難を伴う状態」と定義しますが、赤ちゃんの場合は「出るときの様子」がより大切です。

次のような状態が便秘のサインです:

  • うんちをする際に激しくいきみ、顔を真っ赤にして泣く
  • 出てきたうんちがコロコロと硬い(うさぎの糞のよう)
  • 肛門が切れて血がにじんでいる
  • おなかが張っている・膨らんでいる
  • 授乳量が減った・機嫌が悪い

「いきみ泣き」と便秘の違い

生後1〜3か月頃の赤ちゃんがいきんで泣く場合、すべてが便秘とは限りません。この時期の赤ちゃんはまだ腹圧のかけ方が未熟なため、便が軟らかくても苦労していきむことがあります(乳児排便困難症)。

軟らかいうんちが出て、その後機嫌よく過ごしているなら、便秘ではなく排便動作の練習中の段階と考えられます。

患者さん
生後2か月の赤ちゃんが、いきんで顔を真っ赤にして泣くけど、うんちは軟らかいです。
子育て内科医
それは乳児排便困難症という正常な発達のひとつかもしれません!うんちが出た後に機嫌がよければ、しばらく様子を見てもいいでしょう。

0歳赤ちゃんが便秘になりやすい時期と原因

新生児期(生後0〜1か月):胎便から乳児便への移行期

生まれたばかりの赤ちゃんのうんち(胎便)は黒〜深緑のタール状です。生後数日で黄色い乳児便へと変わっていきます。この移行期に一時的に排便が少なくなることがありますが、基本的に問題ありません。

ただし新生児で24時間うんちが出ない場合や、嘔吐・おなかの張りを伴う場合は先天的な消化管の異常(ヒルシュスプルング病など)が隠れていることがあるため、早めに受診してください。

生後1〜4か月:母乳とミルクでの違い

  • 母乳栄養:母乳は消化がよく腸への残りカスが少ないため、2〜3日に1回しか出ない赤ちゃんもいます。これは正常の場合が多い。
  • ミルク栄養:ミルク(育児用粉乳)は母乳より腸に残りやすく、毎日または2日に1回程度が目安。ミルク栄養の赤ちゃんは母乳栄養より便秘になりやすい傾向があります。
  • 混合授乳:ミルクの割合が増えると排便回数が減ることも。

生後5〜6か月頃:離乳食開始のタイミング

離乳食を始めると、食事内容が変わることでうんちの性状・回数が大きく変化します。

  • 食物繊維の少ない食材(おかゆのみの初期)では硬くなりやすい
  • 食物繊維が増える(野菜・果物)と徐々に改善することも
  • 水分の摂取量が変わるため、赤ちゃん用の麦茶・白湯を少量ずつ与えるのもよい

その他の原因

  • 脱水(夏の暑い日・発熱時)
  • 先天的な腸の問題(稀ですが、ヒルシュスプルング病・腸回転異常など)
  • 甲状腺機能低下症(まれ、1か月健診・3か月健診でスクリーニング検査あり)

自宅でできる便秘の対処法

便秘の赤ちゃんに対して、自宅でできるケアをいくつかご紹介します。苦しそうにしているときに試してみてください。

① のの字マッサージ(腸マッサージ)

お腹のマッサージで腸の動き(蠕動運動)を促します。

やり方

  1. 赤ちゃんをあおむけに寝かせる
  2. 授乳の30分後〜1時間後に行う(直後は避ける)
  3. 3〜4本の指を揃えて、へそを中心に時計回り(「の」の字を描くように)にやさしくなでる
  4. 圧力は「軽く触れる」程度でOK。強く押さない
  5. 1回5〜10周を目安に行う

コツはとにかく優しく、赤ちゃんが嫌がったらすぐにやめましょう。

② 足の体操

赤ちゃんの両足を持って動かすことで、腹筋が刺激され排便をうながします。

やり方

  1. あおむけに寝かせた赤ちゃんの足首を優しく持つ
  2. 両足をゆっくりと「自転車こぎ」のように交互に動かす
  3. または両足を一緒にお腹の方向に近づける(膝を曲げてお腹に近づける)動作を繰り返す
  4. 1セット10〜15回を目安に、1日数回行う

③ 綿棒浣腸のやり方

肛門を刺激して排便をうながす方法です。小児科でもよく指導される方法で、自宅で安全に行えます。

準備するもの

  • 綿棒(ベビー用綿棒が太さ・長さともに適切)
  • ベビーワセリン(またはオリーブオイル・ベビーオイル)
  • おむつ替えシート

やり方

  1. 赤ちゃんをあおむけに寝かせ、足を優しく持ち上げてお尻を出す
  2. 綿棒の先にワセリンをたっぷり塗る
  3. 肛門に綿棒の先を約1〜1.5cm(綿の部分が隠れる程度)そっと差し込む
  4. 奥まで押し込むのではなく、入り口付近で小さく円を描くように5〜6回やさしく回す
  5. 綿棒を抜いてしばらく待つ。うんちが出てくることが多い

注意点

  • 1日1回を目安に。毎日繰り返すことの癖への影響については小児科医の間でも意見が分かれますが、必要なときに使う分には問題ない、とする見解が多いです
  • 強く押し込まない・グリグリ回さない
  • 出血やひどく嫌がる場合はすぐに中止して受診
患者さん
綿棒浣腸は癖になると聞いたのですが、大丈夫ですか?
子育て内科医
「癖になる」というのは、腸が綿棒刺激がないと動かなくなる、という意味ではないので安心してください。ただし毎日行う必要がある場合は一度小児科を受診して薬を処方してもらうのがおすすめです。

④ 水分補給の工夫

特に夏場や発熱時は脱水から便秘になりやすいです。

  • 母乳・ミルクを十分に与える(0〜6か月は基本的に母乳・ミルクのみで水分は足りる)
  • 離乳食開始後(6か月〜)は赤ちゃん用麦茶・白湯を少量ずつ与えてよい
  • 暑い日や入浴後は特に意識して授乳する

⑤ 離乳食の工夫(5か月〜)

  • 食物繊維が豊富な食材を取り入れる(さつまいも・かぼちゃ・ほうれん草・バナナ・りんごなど)
  • ヨーグルト(7か月頃から開始が目安)は腸内環境を整える効果が期待できる
  • プルーン・りんごは便を柔らかくする作用がある

こんなときはすぐに受診!危険なサイン

以下の症状があれば、自宅でのケアより先に、迷わず医療機関(小児科)を受診してください。

  • うんちが白い・クリーム色(新生児・乳児期)→ 胆道閉鎖症などの可能性
  • 血が混じった便・タール便→ 消化管出血の可能性
  • 新生児(0〜1か月)で24時間以上うんちが出ない→ 先天的な腸の問題の可能性
  • 嘔吐・激しく泣く・おなかが硬く張っている→ 腸閉塞などの可能性
  • 体重が増えない・食欲がない・ぐったりしている
  • 肛門が裂けて毎回出血する
  • 家庭でのケアを1週間続けても改善しない

これらは緊急性が高い場合があります。「様子を見る」よりも受診を優先してください。

病院でできる便秘の治療

自宅でのケアで改善しない場合、小児科では次のような治療が行われます。

整腸剤・乳酸菌製剤

腸内環境を整えるための薬です。副作用が少なく、乳幼児にも使いやすい薬です。

酸化マグネシウム

便に水分を引きつけて軟らかくする浸透圧性下剤です。乳幼児にも使用されます。依存性がなく、長期使用しても腸が慣れにくいとされています。

ラクツロース・モビコール®

同じく浸透圧性下剤で、ラクツロースは乳幼児から使用できます。モビコール®は2歳から使用でき、便秘に対して有効性が高いとされています。

グリセリン浣腸

肛門から直接薬を注入して排便を促す方法です。即効性がありますが、習慣的に使うのではなく、苦しそうな場合の一時的な対処として使われます。医療機関での指導のもとで行うのが安心です。

まれに専門的な検査が必要なことも

便秘が続く場合や、生まれた直後から便秘傾向がある場合は、先天性の腸の問題(ヒルシュスプルング病:腸のある部分に神経細胞がなく、うまく動かない病気)を除外するために専門的な検査(注腸造影・直腸生検など)が行われることがあります。

まとめ:0歳赤ちゃんの便秘チェックリスト

0歳赤ちゃんの便秘についてまとめます。

  • 便秘の判断は「何日出ていないか」より「苦しそうにしているか」が大事
  • 母乳栄養の赤ちゃんは4〜5日出なくても正常のことがある
  • 白いうんち・血が混じるうんち・新生児期の24時間排便なしはすぐ受診
  • 自宅でのケアはのの字マッサージ・足の体操・綿棒浣腸・水分補給
  • 綿棒浣腸は正しく行えば安全。「癖になる」過度な心配は不要
  • 離乳食開始後(5〜6か月〜)はさつまいも・バナナ・ヨーグルトなどを活用
  • 1週間改善しない・体重が増えない場合は小児科を受診

赤ちゃんのうんちに悩むのは、それだけ真剣に赤ちゃんのことを考えている証拠です。不安なときは一人で抱え込まず、かかりつけの小児科医に相談してください。最終的な判断は必ず担当医にご確認ください。

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